まきあーとテラスで出会った「かたち」と「航路」

まきあーとテラスで出会った「かたち」と「航路」

今回の5日間の滞在はかなり濃かったのですが、一人行動で発見があった5月4日のことを少し。

この日私は、石巻を訪れました。今回の目的は、まきあーとテラスとその中にある石巻市博物館を訪ねること。

煙突連なる屋根──まきあーとテラスの外観

開けた先に現れた建物は、煙突のある白い屋根が連なるような、特徴的な形をしていました。

内部に感じる、静謐な空間

建物の中に入ると、静かな空気が流れていました。特に印象的だったのは、高い天井から無数に吊り下げられた小さな照明。たくさんの種類の照明がありましたが、照明の種類によっては雨粒のようにも、星屑ようにも見え、神聖な雰囲気を醸し出していました。

そして、空間の奥に設けられた大きな窓も印象的でした。まるで額縁のように切り取られたその向こうには、鮮やかな緑の木々と、その奥に広がる風景が垣間見えました。後ろの山が見事な借景となり、自然の神聖さを室内にいながら感じられました。

博物館に残された「生きるための地図」

テラスの一角にある石巻市博物館では、地域の民俗資料を見ました。中でも目を引いたのは、江戸時代の海図です。

墨とわずかな彩色で描かれた海図は、現代の地図とは異なっています。沿岸線は細かく、島々は実際より大きく描かれ、特徴的な形に。湾の形や岩礁の様子は現代よりも正確ではありませんが、細かく示されていました。

この海図は、江戸時代の人の海からの見え方を示した「生きるための地図」だったように感じました。正確さは現代の方がまさりますが、当時の人たちが海路においてどのような地理感覚を持っているのか、そして沿岸部の風景をどのように見ていたのか…など当時の人々の世界の見え方が、この一枚の紙に表れているようでした。

投稿者プロフィール

Ishizuka Keita
Ishizuka Keita
東京都内のイベント代理店勤務 兼 武蔵野美術大学 修士2年。
さいたま市(浦和)出身です。

2019年、大学4年生の冬に初めて女川に訪問して、今回で5回目か6回目の訪問です。

修士研究で「都心から地域に通う人が、なぜその地域に魅力を感じているか/彼らが感じているその魅力を、他の都市住民にどのように伝えられるか」というテーマに取り組んでおり、その下準備として女川ファンの皆さんからお話しが聞けたらいいな... と思っています。

よろしくお願いします!
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