女川滞在記(4)「運命、未来を拓く」

女川滞在記(4)「運命、未来を拓く」
運命の9月11日

※注意

、津波に関する写真が載っています。

当時の記憶を鮮明に掘り起こしてしまう可能性があるため、ご覧になられる方は注意をお願い致します。

また、当事者ではない僕が書いたものであるために、不快になる方もいらっしゃるかと思われますが、

僕と今後の訪問者のためになるのではないかと考え、記しています。

ご理解いただけたら幸いです。

 

 

 

 

 

起床。

朝9時に、案内してくださる方が宿に迎えに来られました。

車に乗り込み、「大川小学校」を目指します。

大川小学校は石巻市の北上川(追波川)沿いにある小学校で、津波に襲われたくさんの被害がでた場所だ。

車の中では、震災の時の状況や自分の身の回りにあった経験を本当に事細かに話されていました。

 

今でも僕の中で消化しきれていない記憶と情報がたくさんありますが、

自分や今後の訪問者のために聴いた言葉の一片と写真を挙げます。

少し言い方が違ったり、変に解釈が入ってしまっている表現もありますが、お試し移住を考えている方は

一つの選択肢としてその耳と目で「聴いて」「目撃」してみることも

考えてみてください。

 

「思ったことは口に出さなきゃ、伝わらない。」

「明日があるという保証はない。」

「早く、という言葉を聞くと震えてしまう。」

「津波は何でも巻き込んでやってくる。木、車、建物、人も流れてくる。」

「山に登るという判断と、そのあとの行動が大事。」

 

 

 

そのほかにも津波の被害でほとんど更地になっている土地や、様々な理由があって新しく舗装している道路など

の説明をしていただいていました。

その後、案内してくださっている方がよく来ているという「追分温泉」に連れてきてくださいました。

浴場がとても静かで、水の音だけがよく聞こえるとおっしゃっていました。

レトロな外観に合わせた内装も素晴らしく、昭和を感じさせるゲーム機や電話、コカ・コーラの自販機など

がありました。

浴場は木のこげ茶色と窓の外の青葉が良く似合い、じょろじょろと流れ出る温泉の音が堪らなく心地よかった。

少し長めに浴槽に浸かり、一人になったのを見計らって耳を澄ましてみると、

なんとなくですが案内の方の感じていたことが微かに分かったような気がしました。

 

「あんたは、たまたま昨日話を友達から聞いて、今日たまたま俺と出会って、たまたま大川小を見て、たまたま被災した方から震災の話を聞いたんだよ。偶然かもしれないけど、あんたがしてきた選択の結果そうなったんだ。
今のあんたに必要なことだったから、俺と出会う選択をして、俺と出会ったんだ。そういう運命だった。」

 

温泉から上がって2人で話をしていた時に言っていただいた言葉です。

最後はシェアハウスまで送っていただき、お別れをしました。

何とも言えない気持ちになりましたが、選択は正しかったと実感しました。

本当にありがとうございました。

 

この夜は女川での最後の夜。

別れる、離れるということを感じなかった夜でした。

1週間は短すぎる!

でも得られたものはものすごく大きかった。

今の自分に必要なことが純度100%で与えられたんじゃないかと思う。

あとはそれをどう血肉にしていくか、エネルギーにしていくか。

気合が入る。

 

就寝。

 

未来を拓く。9月12日

起床。

最後の朝だ。

今日は僕と一緒に2人同時に宿を出る。

一緒に語って、ご飯を食べて、ゲームをして、シーシャを吸って、深夜に歩いて、時にはバイクで帰った。

思い出がたくさん。

身支度を終え、宿を出る。

最初に来た時に感じたシェアハウスのあのワクワク感。

懐かしい…。

 

10時に1人帰ってしまった。

ホームの先端まで駆けだして見送る。

サンキュー!!

11時にはもう1人。

見送れなくて本当に申し訳ない。

もっともっと話したかったなぁ。

 

最後の女川なので、まだ行っていなかったお店に行く。

まだここでやりたいことがたくさんある。

「ゆぽっぽ」「カマス」「ガル屋」「夢かた」「」「OCHACCO」「IZAKAYAようこ」「きらら女川」「かぐら」

「ぷらっと」「三秀」「シーパルピア」「」…。

まだ行っていないところもたくさんあるし、まだ十分に話していない人もたくさんいる。

でも、軽く散歩してみると最初に見てたのとかなり違う見え方になってる。

いつの間にか愛着のようなものが湧いてて、違う意味で新鮮に感じる。

なんでかと言えば、その時女川にいた人達と、時に楽しく時に苦しく時間を過ごせたからだと思う。

計6日間しか居なかったけど、本当に濃くて最高な毎日だった。

あともう少しで日が落ちる。

 

ハンバートハンバートの『日が落ちるまで』を聴きながら、この物語っぽいブログを終わりにします。

結局物語っぽいか全然わかんないけど、選択したこと・見たこと・感じたことをちゃんと書けていたらいいなぁ。

足りないかもしれないけど、心残りはないです…!

このめちゃくちゃに長いブログを最後まで読んでくれた方は、相当に優しい方です…!

あなた、本当にありがとうございました。

 

ぜひ、他の方のブログも読んでいただき、良ければ、女川に来るという選択をしてもらえたら嬉しいです。

とてもいい時間が過ごせるはずです。これは間違いないと思います。

僕も既に2回目のお試し移住を検討しています!

どこかでお会いできたらいいなぁ。

 

アスヘノキボウの方々、女川で関わってくださった皆さん、仲良くしてくれたお試し移住メンバーなどなど

本当にありがとうございました!!

またお会いしましょう!!!

 

ジョージ

投稿者プロフィール

小川譲史
小川譲史Actor
22歳。新潟出身埼玉在住。
役者、福祉関係者。
「好きこそ物の上手なれ」
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