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創業4年、

コロナ禍で事業拡大する理由

内海康生

宮城県気仙沼市生まれ。
杏林大学外国語学部卒業。株式会社マリアージュフレールジャポンに入社後6年間紅茶のスペシャリストとして勤務。新宿店では副店長を務める。2017年に日本茶専門店OCHACCOを創業。2018年にOCHACCO女川店をオープン。2020年にTEAVER TEAFACTORYにブランドをリニューアルし、紅茶商品の取り扱いを開始。2021年に店舗を移転。

自身の夢と地元宮城への想いから創業

 TEAVER TEAFACTORYは現在宮城県女川町の店舗を拠点に事業を展開されています。内海さんは前職で約6年間紅茶のスペシャリストとして働いた経験を持ちます。当時、独立する先輩たちを見て、いつかは自分もブランドを立ち上げたいと夢を持ちます。気仙沼市出身ということもあり、震災後は宮城県で自分のブランドを立ち上げたいと漠然とした夢から現実的な目標を持つようになりました。ちょうど同時期、東北に貢献する仕事がしたいと考えていた姉の裕里江さんと共同で創業することになり、先に宮城県に戻っていた裕里江さんが2016年に創業本気プログラムへ参加。2017年に日本茶フレーバーティー専門店「OCHACCO」を創業されました。
 その後創業から1年で出店、2020年12月には「TEAVER TEAFACTORY」にブランドをリニューアル、2021年1月に店舗を移転して紅茶商品提供のスタートとカフェ事業の拡大に乗り出します。コロナ禍においても順調に事業の拡大を進めることができた秘訣とは一体何なのでしょうか?

順調な事業拡大を支えた3つの秘訣

 事業拡大を支えた1つ目の要因は徹底した「準備」です。特に創業から出店、移転まで問題なく進められたのは、先を見据えた準備があってのものでした。
いつか自分のお茶のブランドを持ちたいと考えていた内海さんは、前職時代から独立を想定し、物理的、心理的、知識的にも準備を進めていたと言います。

「600種類のお茶を飲み研究したり、独立した先輩のもとへ話を聞きに行ったり、ここではもう学ぶことはないというくらい学んでから独立をしようと決めていました。また、前職ではお茶を作る仕事はやっていなかったため、独学で商品づくりについて学びました」と当時を振り返る内海さん。

2016年に退職し、創業の準備に取り掛かりましたが、自分のお茶のブランドを持つという明確な目標の元に準備をしていたため、いち早く動き出せたのだと言います。創業までは、初めの3ヶ月間飛び込みで仕入れの取引先を探し、その後商品作りを行い、約7ヶ月で事業をスタートさせました。

準備が役立った場面は他にもありました。実は今年行った店舗の移転は想定の4ヶ月前倒しで実施されたと言います。

「出店から4年目を迎える5月を目処に移転を予定していたのですが、いろいろな事情が重なり1月中に移転をすることになりました。想定外の前倒しではありましたが、既にカフェ事業を拡大するためのメニューを開発や、新しく取り扱う紅茶商品の商品作りやロゴの依頼などを始めていたので無事にリニューアルオープンをすることができました」

 事業拡大を支えた2つ目の秘訣は「スモールスタートでの経験」です。店舗を持つことは一つの目標でした。しかし、創業してすぐはお金も人手も商品も少なかったため、店舗を持たずに商品4つから事業をスタートさせました。平日の昼間はレストランで働き、夜は場所を借りてお茶の製造を行っていました。そのような中、ビジネスグランプリで入賞し、メディアに取り上げられるようになりました。それをきっかけにイベントやマルシェへの出店依頼が増えるにつれ、多くの事業者とのつながりが生まれ、商品の見せ方を学んだり、小さいながらも店づくりをする経験が後の店舗づくりにも大きく役立ったと言います。

「いずれ店舗を持ちたいと思っていたのですが、女川町の商店街シーパルピア女川に空きテナントが出たと聞き、内見に行ったんです。そこから話がとんとん拍子に決まり、お客さんの多いゴールデンウィークにオープンさせようと1ヶ月弱で準備をしなければいけませんでした。プロダクトが日本茶に決まった時点でお店のイメージを持ち始めていましたし、週末はマルシェ等に出店しつつ平日は商品作りを行っていたため、店舗を持つ際の目標にしていた10種類の商品はできていました。マルシェでの学びと経験を生かし、無事に店を作り上げ2017年5月にオープンをさせることができました。」

 事業拡大を支えた3つ目の秘訣は「ブレない軸と自信」。TEAVER TEAFACTORYは、2020年12月にブランドを一新しています。リニューアル前の『OCHACCO』は、東北らしさやお茶っこ飲みの文化を発信したいという思いで始まり、日本茶フレーバーティー専門店という他にはないオリジナリティから注目を集めていました。ブランドが育っている中でのリニューアルの背景には何があったのでしょうか。

「創業以前から、お茶に関する知識や商品づくりには自信がありました。姉が事業を離れたこともあり、お茶のプロフェッショナルとして戦いたいという思いが強くなってきました。自分のやってきたことをフルに活かし、ありふれているからこそ差別化の難しい『紅茶』も取り扱うティーファクトリーにブランドを一新することに決めました」と語る内海さん。

商品作りは正解がないことが、最大の難関であり、楽しみであり、一番大事にしていきたいことだと内海さんは話します。自分で正解を決めないといけない楽しくもあり難しいものだけれど、それこそが自分が一番大事にしていきたい部分だと教えてくださいました。

立ちはだかる、新型コロナウイルスという壁

 2020年春、新型コロナウイルスの影響は当然、TEAVER TEAFACTORYにも押し寄せました。緊急事態宣言下では、合計3ヶ月も閉店せざるを得なく、売上げは約半分に落ち込みます。また、出店予定だったイベントの中止や取引先の廃業なども影響し、創業から毎年30%伸びていた売上げも大幅に低下します。

そんな状況下で、カフェ事業拡大のため倍の広さの店舗の移転。当然家賃も上がる選択でした。

「これまでのお店は物販メインでカフェスペースを利用するには敷居が高かったんです。そこで、もう少し入店のハードルを下げるためカフェスペースの拡大を決めました。緊急事態宣言でお店を開けられない時間は、カフェメニューを開発したりしていました。
また、以前から要望の声が上がっていたオリジナルティーの開発事業の準備も同時に進めていました。コロナ前に全国展開するアパレルブランドの依頼でオリジナルティーを作ったことをきっかけに、可能性を感じ、2020年は取引先を中心に実績作りを行なっていました」

また、コロナ禍でオンラインの売上げが伸びたことで、オンラインショップの可能性を感じ、6月にリニューアルするWebサイトにECサイトを内包することに。コロナ禍で一見リスクに見える移転を可能にしたのは、以前から事業拡大の道筋を描いていたこと、そして需要を汲み取りながらできることを地道に進めていくことにありました。

内海さんに今後の展望を聞いてみました。

「これから店舗の数を増やしていくなどは考えていません。目指すのは『ここにしかない、日本一のティーファクトリーを作ること』です。お茶・紅茶といえば女川町だよねと言われるくらいまでになりたいと思っています。そのために、準備を進めてきたオリジナルブレンドティーの事業をしっかり成長させ、本格的に商品作りに時間を使えるようにしていきたいと思っています。」

編集後記

今回は第10回のプログラムにご参加いただいた内海さんにお話をお伺いしました!コロナ禍でも事業拡大を決断したわけはもちろん、プログラムご参加時に感じた内海さんの想いの強さやこだわりについてぜひお聞きしたいと思っていたのでとても貴重なお話を聞くことができました。
この記事を読んでくださった皆さんにも少しでも参考になったら嬉しく思います!

創業本気プログラムは上期下期と年2回決まった期間の開催ですが、ご相談は随時受け付けております。
ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談くださいませ。

それでは、また次回のSTART! ONAGAWA 通信をお楽しみに!

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