ご縁があり、野蒜にある東松島市震災復興伝承館を訪れました。
そこの2階では、東日本大震災を経験した方々へのインタビューや、当時の地震の映像を約8分にまとめた映像が無料で上映されています。
僕は東日本大震災が起きた当時、まだ2歳になる前でした。そのため、自分自身の記憶はほとんどありません。
学校で震災の映像を見る機会は何度かありましたが、幼かったこともあり、どこか他人事のように眺めていた気がします。
東京で震災を経験したとはいえ、自分の中では「遠くで起きた出来事」という認識のままでした。
初日のオリエンテーションで震災について話を聞き、さらに東松島市震災復興伝承館を訪れたことで、それまで知識としてでしか知らなかった出来事が、一気に現実味を帯びました。
特に印象に残ったのは、当時の映像です。
地元の郵便局などから提供された映像は画質が非常によく、人々の表情や声、建物や車が津波に流されていく様子まで鮮明に映っていました。
これまで見てきた映像とはまったく違いました。画質が良いというだけで、人の表情や空気感まで伝わってきて、本当にそこに人が暮らしていたという当たり前の事実が、自分の中にまっすぐ入ってきました。
実感が湧いた一番の理由は、人の表情が見えたことだったのかもしれません。恐怖や戸惑いという数字や写真だけでは伝わらないものを見ることができたからです。
そして、その感覚が強くなるのに拍車をかけたのは、館内に展示されていた「震災当時の時間で止まった時計」と、近くにあった津波によって流されてしまった旧野蒜駅の跡地でした。
震災が起きるまで、人が毎日のように使っていたもの。というその生々しさが、僕の知識、教科書の1ページでストップしていたものが誰かの生活に結びついた瞬間でした。




