お試し移住5日目~海に浮かぶブイの下に②~

お試し移住5日目~海に浮かぶブイの下に②~

――――― 前へ https://onagawa-kikkake.jp/2023/07/21/22362/

 

「へえ、陸地で橋をつくってからクレーンで島まで運ぶんですか。すげー!」

なんて話をしながら陸へ戻って、今度は陸上養殖の設備を見学します。

やっとこさ抱えられるくらいの大きな水槽と、トラックもって来いレベルの大きな水槽があり、その中には牡蠣少年よりずっと小さい200μm( 1mmの1/5)程度の”牡蠣赤ちゃん”がいるそうです。

が、小さすぎてよくわからない!

というわけで、部屋の電気を消して水槽に懐中電灯の光を当てて見ると、

‥‥おお、見える見える。とんでもなく小っちゃい白い点々がごまんと漂ってます!

顕微鏡を覗いてみるとこんな感じ。

いやー、小ささへの衝撃が休む暇なく更新されていく…

”やっとこさ”の水槽1つに200万匹程いるそうです。ごまんどころじゃなかった。

しかし、最終的に生き残るのはその内の2割程と言います。

そのため、水槽に使用する水は何重にも濾過を行い、それをかけ流しにすることで、赤ちゃんを攻撃する菌などを極力減らし高密度でも生きられるような環境を整えているそうです。

こうした細かいところにも工夫が凝らされています。

 

水槽を見学した後は、”やっとこさ”の水槽の掃除をさせてもらいました。

この水槽の水を抜くだけでもそこそこ時間がかかること(測ってなかったー)、かといって勢いよく水を抜くと衝撃で牡蠣が死んでしまうこと、補助装置は順番に取り外すこと・・・などなど、気を付けるべき点を教えていただきながら行いました。

 

ここで1時間の昼休憩をはさみました。時刻はAM11:45 。午前だけとは思えぬほどの内容の濃さですね。 (本当にありがたいです)

 

昼休憩が終わるまで少し時間があったのでふらふらしていると、

カクカクシカジカ、

生きているホヤをその場で食べさせてもらえました!

見た目は枇杷を開いたようで、さっきまで海水に浸っていたからか少し塩辛さもありつつ、食べた後にはウニのような甘さが。

ホヤはホヤの味としか言えないというのも納得です。産地である女川だからこそできる食べ方、来たからこその経験でした。

 

午後の部1発目は、牡蠣のバスケットの組み立てです。午前中に見たやつですね。

組み立てを実演していただいた後、自分たちで組み立ててみながらもう1度教えていただきました。

勝手がわかれば、ひたすらつくっていくのみ。しかし、丸めたり差し込んだりするのですが、かなり硬くて力が要りました。海で壊れないためかな。

そうして二人で奮戦しながらもなんとか組み立てました。総勢 59個。

この日たくさんの機械や道具を見てきましたが、それらを作る会社もまたどこかにあって、道具を組み立てたり作っている人もたくさんいて、その方たちの仕事がいま自分の目の前にあるんだなあと、作業をしながら感じました。

組み立ての後は、牡蠣の赤ちゃんが付着するための「とてもとても砕かれた牡蠣殻」を作りました。

かなづちの頭を鷲掴みにして、そのまま器に入った殻に振り下ろす!

砕いた殻は、約180μmのふるいの上に約360μmのふるいを乗せた2段式のふるいにかけて、下のふるい= 180μmのふるいに溜まった殻を集めます。

これはかなり砕いただろうと思っても、7割以上は上のふるいに残るんですよね。

だからこそ、下のふるいにそこそこ溜まっていると無性に嬉しくなります。

これを何百・何千万匹が付着できるような量をつくるのに、どれほどの根気が必要なのだろうか。次に牡蠣を食べる時は、すごく想いの込もった「いただきます」が言えそうです。

 

そうこうしているうちに、時刻は16:00。ここで本日の体験は終了となりました。

牡蠣が生育する環境を整えるために様々な設備を扱い、そのための研究も行い、時間や時期によって仕事も変化する。

1次産業がどんなことをしているのか、今回体験したのはほんの一部分ではあるけれど、見学だけでなく実際に作業を任せていただいたり、質問にも丁寧にお答えくださったので、何をするのか想像するだけだった状態から50歩くらいは進めたんじゃないかなと思います。

改めて、受け入れてくださった片倉商店さん、つないでくださったアスヘノキボウさん、今回は本当にありがとうございました!

それから、最後まで駄文な長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

投稿者プロフィール

YamamotoYuto
YamamotoYuto学生
広島の安芸津という小さな海の町の育ちです。高校までサッカーをやってました。大学では1人ふらり旅をしてました。電車に揺られるのとか田んぼのそば歩くのが何か良かった。その街の暮らしを追体験する感じがいいんです!
大学では、起業家や生物の教授や哲学家の方などと分野ごちゃ混ぜにお話ししてます。直接身についたスキルはないですが、まあえかろう。
朗読を録音して聴いて悦んでもいますー
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