女川の原動力~滞在三十一日目~

今日はホタテ祭りでかつてないほどの大盛況でした。

レジだけで百万オーバーの売上はいったようです。

ひたすらレジ打ちでしたが合間で品出しをするくらいでした。

アルバイト後はルームメイトの方と打ち上げをしました。

明日女川を出発するからです。

彼は昨日シェアハウスから社宅に引っ越していました。

ポツンとしてしまったシェアハウス。

明日には私もいなくなります。

バー「シュガーシャック」さんを訪れました。

どうやら彼は渡米していた時もルームメイトがいたため、一人暮らしは初めてだそうです。

まあ三日で慣れると思いますが今は違和感が上回っているようです。

それこそシェアハウス事業をする需要がありそうですね。

こういった身近な人から事業アイデアが生まれることもありますからね。

呑んでいたら以前バー「ガル屋」さんでお話した方が入店しました。

明日出発するということで陽気に見送ってくれました。

終始上機嫌で面白い方でした。

女川に来た感想を聞かれて、東北地方には珍しく明るく建設的な方々が多かったということを伝えました。

その理由について語る時、神妙の顔つきになって問いかけられました。

「遺体って見たことある?」と。

「足元に沢山あった。それも突然の出来事で、知っている人もいた。親族や友人を亡くした人がこの街には多くいるんだ。心に傷を負っている人も沢山いる。それでも前を向こうって決めたんだ。そんな状況は体験してないだろうから分かってくれとは言わないけど。人って何かしら隠してるものがあるんだよね。」

歳月が過ぎても過去の悲しみは残っている。

それでも前を向いてやっていく、そんなアイデンティティがここ女川には溢れているようでした。

「また会おうな」と言われてお別れしました。

陽気な人ほど抱えているものがあるものですね。

正直なところ私は退陣興味が薄くて自ら切り込むようなことはしなかったのですが、自らそういった話を聞けて良かったです。

ルームメイトの彼も謙遜してフラフラしてきたなんて言いますが、けっこうな経験を持っています。

人それぞれ聞いてみれば様々な経験をしているものです。

酸いも甘いも体験して人格が形成されていくことでしょう。

 

その後アルバイト先「おかせい」さんの店長よっちさんが入店しました。

ルームメイトの方が私のことについて聞くとよっちさんは

「凄い考えてる人だなと思ってた。何を考えているかは分からないけど彼なりに考えていることがあって、それを尊重しようとしていた」と言われました。

得体の知れないよそ者を慈悲の心で見てくれていたようです。

人に恵まれていたとつくづく感じ入りました。

ここで働けて良かったと思いました。

女川に残る彼らとお別れして帰路に着きました。

昨日はラーメン屋「夢を語れ」でお会いした方ともお別れでした。

以前はカフェでお試し移住者に話しかけられて遊びに行くようになったようです(女川ならではですね)。

また行ってしまうのか~と言われましたが、戻ってくると伝えました。

出会いあれば別れあり。

ただし離れても現代は関係性を紡ぐことは出来ます。

交流の場を創出することに着眼していたものの、旧友を疎遠されないということも同様に重要事項だと思います。

特に繋がりやすく途切れやすい現代においては。

そっちの方面でもテコ入れしてサービスを作っていきたいです。

投稿者プロフィール

てるい
岩手県出身の25歳。大学から東京で卒業後に東京で新卒のサラリーマンとして勤務。副業で行っていたビジネスを本業にしたものの法的にグレーなことだと発覚して脱退。前回の滞在後にプログラマーとして独立して戻ってきました。人の拠り所となるコミュニティの形成のためライフスタイルを変えてみる地方移住を体験して、復興で注目される街である女川町について情報発信していきます!
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