大詰め

大詰め

何もなかった場所に、少しずつ形が生まれていく。

最初は何もない空間だった。

そこに線を引き、床を張り、柱を立てる。
壁を切り出し、アールの具合を眺め、気づけば頭上には天井ができあがっていた。

振り返れば、ずいぶんと景色が変わった。

毎日少しずつ進んでいく作業を見ていると、完成までの道のりは長いようで、意外とあっという間だった気もする。

ここまでくれば、いよいよ終盤戦。

空間ができあがってくると、今度は中身を考える時間が増えてきた。

食器を選び、利用者の姿を想像する。

ここでコーヒーを淹れる人がいるかもしれない。
誰かが自分の料理を振る舞うかもしれない。
初めてお店を開く人が、緊張しながらお客さんを迎えるかもしれない。

そんな光景を思い浮かべながら、必要なものを一つずつ揃えていく。

最初はただの空間だった場所に、少しずつ誰かの挑戦を受け入れる準備が整っていく。

そして、いよいよ次は家具作り。

床や壁ができたときとは、また違った意味でお店らしさが生まれる工程だと思う。

何もなかった場所が、誰かの「やってみたい」を受け止める場所になる。

完成まで、あと少し。

投稿者プロフィール

松本匠世
松本匠世
兵庫県西宮市出身。23歳、現在大学院生。
大学では建築設計を専攻しており、建築分野の幅広さに気づき様々な分野を勉強中です。
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