女川にある小さな島、出島。
女川に入れば、一度は耳にする名前だ。
僕にとって「島」といえば、どうしても淡路島のイメージが強かった。だから、女川の出島も、最初はどこか観光地のような場所だと思っていた。
でも、実際に話を聞いてみると、少しずつ見え方が変わっていった。
きっかけは、大工さんのお手伝いをしていたときに、チャレンジショップの現場へ来てくださったユウタさんとの出会いだった。
いつもお世話になっている大工さんも、以前出島でサウナを作っていたことがあり、出島について話を聞く機会はそれまでにも何度かあった。
でも、実際に今、出島で生活している人の話を聞いてみると、知らなかったことがどんどん出てくる。
「出島って、どんな場所なんだろう。」
そんな興味が少しずつ大きくなっていった。
お試し移住をしている学生にその話をすると、
「一回行ってみよう!」
ということになった。
相棒の軽トラックに乗って、いざ出島へ。
上陸して最初に感じたのは、
「これぞ田舎の漁港だ。」
ということだった。
山と海が、恐ろしいくらい近い。
どこを見ても自然がある。
そんな場所で最初に出会ったのは、野良猫だった。
その猫を追いかけていくと、なんと口に細長くて太い魚をくわえている。
「そんなことあるんかい。」
二人で思わず突っ込んだ。
まるでサザエさんの世界に入り込んだような出来事だった。
でも、そんな出来事すら、この場所では妙にしっくりくる。
その後、ユウタさんに時間をいただいて、出島の自然について教えてもらいながら山を歩いた。
海を眺め、山を歩き、そこで暮らす人の話を聞く。
観光で訪れるだけなら、きっと見えなかったものがたくさんあった。
そこで暮らす人が、何を感じているのか。
この自然をどう残していきたいのか。
町をどうしていきたいのか。
そんな話を聞いているうちに、出島がただの「観光する場所」ではなくなっていった。
女川に来てから知った言葉に、「地域おこし協力隊」がある。
それまでの僕にとっては、ほとんど知らない言葉だった。
でも今回、出島で話を聞いていると、その言葉について改めて考えさせられた。
自然を守ること。
町を盛り上げること。
そこに住む人の生活を大切にすること。
そのためには、人が必要で、時間も必要で、もちろんお金も必要になる。
「自然が素晴らしいから残せばいい。」
「人が来れば町おこしになる。」
そんな単純な話ではない。
自然と暮らしと経済。
その全部をどうやって両立させていくのか。
出島に行ったことで、そんなことを少し考えるようになった。
最初は「一度行ってみたい」という軽い気持ちだった。
でも、実際に足を運んで、人と出会って、山を歩いて、海を眺めたことで、ただの「島」だった場所が、少しだけ自分に近い場所になった気がする。
たぶん、知らない町を知るというのは、地図を見ることではない。
そこに暮らす人の話を聞いて、自分の足で歩いて、少しずつその場所のことを知っていくことなんだと思う。
出島上陸。
たった一日の出来事だったけれど、僕の中では、女川を知るための新しい入口になった。
まだまだ勉強したいことがあるはずなのに知らないから考えることができていない。
そんなことが転がっている、女川。
お、これから学び続けるには自分のフットワークを武器にすればいいのか!
自分のこれからが楽しみでしゃーない。





