遅くなってしまったけれど、この5日間の女川でのお試し移住の感想をこれからベラベラ喋ろうと思う。
色々あったけれど、一言で言うと、来てよかった。来れてよかった。それに尽きる。
タイミングとか、運が良くて救われたところもあったけれど、確かにこの女川のパワーみたいなものを感じることができたと思う。
1日目、乗り換えに失敗したり、逆方向の電車に乗ったりして全然女川に辿り着けなかったな。
集合の時間はどんどん過ぎていって、夕方の突き刺すような日差しと遠くでなく蝉の声に泣きそうになりながら、無人駅の待合室でぼんやりして。
仙台駅まで迎えに来てくれたさとのば生の子と二人、無言のまま。
そうしたら、ピンチだって連絡していた別のさとのば生の子がたまたま仙台方面から女川へ帰る途中で、車でピックアップしてくれて助かったりしてね。
始まりは本当に踏んだり蹴ったりで、日暮れの中なんとか女川に辿り着けて。
前日眠りにつくことができなくて、オールした状態できたから、急に緊張の糸が解けてうとうとしながらガル屋さんでピザを食べた。
夜には夏浜?と言うところに行って、海で遊んだりもした。
深夜に出歩くなんてお正月に家族としかしたことなかったから、めっちゃ大学生ぽいことやってるなーって嬉しくなって。
2日目、遅刻したからこの日に手続きをした。まち歩きをして、震災の爪痕をこの目で初めて見た。
ひっくり返った旧交番、小kまで津波がきたというラインの入った柱のある医療センター、これよりも上に逃げろという石碑、防波堤を作らない代わりに、海が見える街であり続けるために、嵩上げをして高台に住居を作ったまちづくり。とても勉強になった。それと同時に、ここまで復興するのにどれだけの時間と労力、そして思いがあったのだろうと、少しだけ切なくなった。お昼にはできたばかりのカレー屋さんでカレーを食べた。手が込んでいる味で、おいしかった。夜には南三陸まで車で走って(遠くに行きすぎでは?笑)、花火大会に参加してきた。私にとっては今年初めての花火大会だったから、テンション爆あがりだった。星が降っているみたいで、懐かしいあの夏が帰ってきた感じで、なんというか…エモかった。その帰り、みちの駅が近くにあって、お祭りの戦利品であるたこ焼きを食べていた時、ふとライトアップされた橋が目に入った。みに行くと、その橋を渡った先は震災復興の公園だった。有名な、市庁舎の震災遺構があった。導かれてきたみたいだね、なんて話をした。本当にその通りだと思った。
3日目、みなとまつりのボランティアをした。商工会青年部のブースで会計をひたすらした。その合間を縫ってお祭りも楽しんだ。人生で初めてりんごあめを食べた。ラッシーも初めて飲んだ。ロングポテトは半分くらい地面に食べさせてしまった。落としたんだよ。悲しかった。海上獅子舞は本当に港町のお祭りと言う感じがしてワクワクした。色とりどりの大漁旗を掲げた船が港の岸壁を航行していく。太鼓と笛のお囃子と、町内会?ごとに違う獅子舞。熱い夏って感じがする。津波もこの街の人たちの熱と文化だけは持っていけなかったみたいだ。女川の人たちは強い。夜には花火が上がった。音楽花火で泣きそうになった。実際涙は目に溜まっていた。だって昨日震災の話を聞いたばかりだ。そこにいた訳でもないのに何かに感情移入してしまって、センチメンタルだった。このとき、この瞬間だけは、私は女川の人間になっていた気がする。
その夜、例に漏れず遅くまでまつり後の静かな港で話し混んだ。宝箱に仕舞い込んだ、大切な、大好きだったはずの本当の自分について。
4日目、この日はお祭りが終わったこともあって、女川の街には日常が流れていた。ただし暑い。この暑さに関しては日常なわけがない。
が、しかし、私は女川を堪能するために暑くてもまちへ繰り出す。
さとのば生の一人に、観光客は気づかない、ちょっとした隠れ家的なカフェに連れていってもらった。ジブリとワンピースで彩られた物語に出てきそうな店内は見ていて飽きない。日替わりランチと、ドルチェのタルトと珈琲を食べてのんびりと。その後、まちなかにあるブックカフェと言うところで本の森の中をぐるぐると見て立ち読みをして、パソコン開いて作業をするもWi-Fi激よわで心折れたので閉じてお昼寝したり。なんだかんだゆぽっぽに入り損ねていたから、滑り込みで入りに行って。夜の街のあかりに泣きそうになったりもしてさ。
5日目、結局ドタバタで女川を後にすることになってしまった。お魚の形をした木のストラップをお土産に、今度はちゃんと駅からお別れをする。
女川はまるで日本じゃないみたいだった。どこか南の国の港まち。日焼けしている人が多いし、活気があるし、みんな熱い人たちだ。シーパルピアも復興の過程で
できた建物だから、街並みは本当に西海岸みたいだ。木も植えたばかりで育てているところだからまだ細くて、それもまたいい。街の灯りも、まちの作りも。終着駅で、交通の便はあまり良くなくて、陸の孤島みたいだと言う人もいるけれど、ここに来ると自然と心が弾む気がする。
私は、五城目の大雨の件があって少し心が落ち込んでいたけれど、女川に来てから少し心が晴れたような気がしている。それはきっと女川の力ゆえだと思う。
もちろん全部を知った訳でもないし、みた訳でもないから、まだまだいいところも悪いところもあるんだろう。
でもそれを知るのは多分いまじゃない。今はこの街のカケラを知れただけで充分だ。
来てよかった。来れてよかった。いたのはたった5日間だったけれど、そう思える時間を過ごすことができた、熱い夏だった。
投稿者プロフィール
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さとのば大学1年生、宮原桃花です。今は秋田県五城目町に滞在しています。出身は北海道です。
読書とお絵描き、ひるねと美味しいご飯を食べることが好きです。
教育、まちづくり、デザイン、言葉、人、歴史文化、遊び、いろいろなことに興味があり、留まるところを知らないくらいあれもこれも気になります。
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