家族でお試し移住生活 最終日 K.Idris familyみのです。
お試し移住生活が終わり、女川を出て仙台の友人と会い
昨日東京に帰ってきてこのブログを書いています。
1ヶ月弱、女川から出ずにいたので、浦宿の2つ隣の渡波駅に着いたあたりで何か違和感!
それはずっと広がる平らな土地に家がたくさん見えたこと。
そっか、女川にいると平地ってないんだわ。いつでも山か海が見えるんだ。
もう帰るのか。寂しいなぁ。
新幹線に乗って東京に戻ってくるとまるで別世界。
つくづく、ああ、女川っていい場所だったんだな。と
後からよくわかってきます。
いつも通りの朝、荷解きをして洗濯をして、
子供の学校へ提出する書類を書いて。また普通の生活です。
以前のようにいつもの慣れた作業をしていると、
ふと
(いや、うちらずいぶんすごい挑戦したよな。女川に家族でいきなり住む、って普通にすごくないか?)
と突然我に返って笑ってしまいました。
お試し移住で一番印象に残っていること
私はまず浦宿が好きになりました。
女川駅ももちろん素敵ですが、浦宿に1ヶ月居たので愛着があります。
のんびりした駅の感じに心が惹かれます。駅のホームに立って1時間に1本来るか来ないかの電車を待っているだけで、まるでドラマの主人公になったような気分というか。(はい厨二病ですね。)
無人駅なので改札もありません。穏やかな海が見える小さな駅のホームで待っていると、遠くから電車がカーブして入ってくる瞬間。頭の中に曲が流れてしまいます。^^
電車の旅好きの方ならこの雰囲気はたまらないでしょう。
来たことはないのになぜか懐かしくて、子供の頃のことを思い出したりします。
とても幸せな瞬間でした。
ここに住んでいる人は「何にも無いよー」と言っていて
海が見えて、この生活が当たり前なのかもしれないけどこういう日々が大人になった時に思い出す景色だったら素敵だなと思いました。
※浦宿の駅前は私たちがいた最終週から改修工事が始まり、少し景色が変わるかもしれません。訪れるなら今ですね。
この町ではあちこちで人と話す機会がありますが、浦宿の近所を歩いていると女川駅周辺よりも観光客が少ないこともあり、さらに声をかけられる率が高い気がします。
(もはや女川駅に近づくと若干緊張する体質になってしまったw)
わざわざ手を止めて話をしてくれるんですよね。自分も今後はこうありたいと思いました。
帰る時も駅前で、帰るのー?気をつけてねー!と通りかかった近所のおばあちゃんが声をかけてくれました。
なんと言っても女川の良さは人の温かさです。
K.Idris family 家族全員その点ががすごくよかったと思っています。どこへ行っても大歓迎されて、交流してくれる。
昨日仙台の駅近くにある公園で「女川感覚」で挨拶したり話しかけたりしてみたのですが、
「え!?あ、はい…(なんか変なテンションのおばさん、危険危険、逃げよ・・・)」という感じで
同じようにはいきませんでしたねw
都市で生活していれば確かにそうなるのもわかります。
息子は仙台に着いた時点で「誰も挨拶してくれない・・・。」と言い、東京に戻って自宅の前の道路に来たら
「みんなに会えなくなる・・・女川に帰りたい」と、泣き出してしまいました。
自宅に着いたというのにそんな感じで、よっぽど楽しかったんだろうな。
自分も子供の時に、今回のお試し移住のような感じで少しだけ海外に住んだことがありました。
現地に住んでみて日本に帰った後、少し世界が広がった感覚がありました。
その経験から、たとえ何か嫌なことがあっても
ここが世界の全てではないんだ、と子供ながら思えていた所があります。
色んなところで人々は暮らしていて、たくさんの考えがあって、世界は広い。
実際息子は女川生活をしてから少し逞しくなったと思います。
来る前は不登校で、自信を失っていましたが、
最終日近くのある日、地元の子供達とスポーツをする教室に誘っていただきました。
いつもなら息子は子供がいる場所は無理で、即帰ります。でもその時は私も今回は頑張れるような気がして
なんとか体育館に留まっていました。
その時に以前移住してきた方が話しかけて下さって、最後には体育館のみんなと同じ空間で過ごすことができました。
普通に登校できる子供からしたら大したことないかもしれませんが、息子からしたらすごく勇気を出した第一歩です。
言ってみれば完全アウェーな状況な訳で、大人でも人によってはそこに入るのは大変だと思います。
帰りには楽しかったと、とても自信になった様子でした。
新しい挑戦の機会を与えていただき、息子の笑顔を見て胸がいっぱいになりました。
今後に向けて
まずは車の免許を取ります!免許を取って必ず戻ってきます。
そして次は日本が大好きなじいじや親戚一同を連れてきて、この町でもう一度過ごしたいです。
あと、できたら元旦の女川に来てみたいです。実は女川のシーパルピアは須田町長の発案で素敵な仕掛けがあります。
元旦には商店街の歩道の先から、まっすぐに海面から初日の出が出てくるように設計されているのです。
すごくワクワクですよね!
実際町の風物詩になっているようで、人気の初日の出スポットになりつつあります。
カウントダウンのようなのもあるらしいので、早めに宿を予約しなくてはと思っています。
そして私たちが帰る、まさにその日に新しいホテル、
Swimmy Inn Onagawaも完成していました!
ここに以前のブログで勝手に紹介させていただいたアーティスト、神田瑞季さんの新しい壁画もあるそうなので行ってみたいです。
あと帰る直前に食べたOnagawa factoryの「金華塩アイスクリーム」!お世辞抜きで、今まで食べたアイスの中で最高に美味しかったです。
金華塩がけっこーガッツリ載っていて、甘く塩っぱく驚きました。絶対また次回行ったら食べます。
私たちが行った時は、さとのば大学のお試し移住者のひかりさんが作って下さいました。うま過ぎて感動したことをこの場で伝えます^^
自分はずっと長く仕事をしてきたのですが、出産してから急に自分迷子になってしまい、本当はどう生きるべきなのか考えすぎて
結果、ここ数年間仕事を辞めている状態でした。(40代女性にはよくあることですが。)
自分の迷いと、子供の不登校で、ただ疲弊して、子供にも輝いている親の姿を見せてあげられなかった気がしています。
そんなこともあって新たなチャレンジとして女川に来てみました。
1ヶ月ログハウスに住んだのですが、ログハウスのメンテナンスや管理、修繕にとても興味があることに気づきました。今後自分が進んでいく方向へのきっかけになるかもしれません。
また、体育館前のコミュニティスペースや、うたごえ喫茶そらおとさんに行った経緯もあり、
コミュニティカフェの運営にも興味が湧いてきました。
以前からairbnbやシェアハウスのような形態で国内外の旅行者と交流したりするのも面白そうだと思っていました。
夢は人に話すと実現しやすいと耳にしたことがあります。なので一応ここに宣言しておくと、いつか実現しているとうれしいですね。
それと今回初めてブログというものを書いてみましたが、大きな挑戦でした。
普段本もそこまで読まないですし、拙い文章でお恥ずかしい限りですが、何か女川の役に立ちたいという思いで飛び込んでみました。
今後女川に移住したい方や、女川がどんなところなのか知りたい人に向けて、町の外から来た目線で書いたつもりです。
このブログが少しでも参考になっていれば嬉しいです。
どんな形になるかはわかりませんが、今回のように情報を発信する、ということにも今後挑戦したくなってきました。
自分の活動で、女川という町を少しでも知ってもらい、活動人口が増えてくれたら私も嬉しいです。
※ふるさと納税という方法もあります。
海鮮グルメから体験型のものまで取り揃っているので、これを利用しない手はありません。
うちも今年は女川に決定です。
今後、お試し移住する人へ、町の人へのメッセージ
津波の被害があった女川。昔からこの町には津波があり、そのたびに町の人たちは立ち上がり、強く生きています。歴史を遡っても、よそ者を受け入れる風土があり、この町は何かに挑戦したい人にはふさわしい場所です。
町の外から来た我々もすぐに受け入れてくださり、移住者に優しい町だと感じました。
町の中心部ではやる気のある自営業者が集まり、コミュニティを形成しています。我々のように東京から突然やってきたような家族にも
アスヘノキボウさんのようにスムーズに受け入れをして下さる体制が整っています。
夫は仕事の後にバーに連れて行っていただいたこともありました。
そこでは様々な業種の方と出会い、貴重な話をする機会がありました。
須田町長をはじめ各業界の方と、気さくに交流できたそうです。ビジネスなど何か自分で立ち上げたいと考えている方には、つながりが作りやすく、チャンスも見つけやすいでしょう。
刺激的でとても面白い町なのではないでしょうか。
次回ここに来る時には、私もやる気のある知人の自営業者を連れて来ようと思っていて、候補を何人かすでにピックアップしています。今後も女川にはどんどんパワーが集まってきていくことでしょう。
それとはまた別に私がお話した中には、以前女川に住んでいて今は町の外に住んでいる方もいらっしゃいました。電車で女川へお墓参りに来た方だったのですが、町が変わって行くことに寂しさも感じているようです。
震災の後、気持ちを奮い立たせて前に進める方もいれば、どうしても意欲が低下してしまう方もいるのは自然なことです。
年齢も関係するでしょうし、自分が口を出せることではないですが一生のトラウマになって当然のことと思います。
大したことはできないですが、そういった方のお話を聞いたりするだけでも今後も女川のために活動を続けていけたらと思います。
自分達は多拠点生活を目指していて、移住地候補として今まで様々な場所を訪れたことがあるのですが、ここまで長く滞在したのは初めてです。
女川に住んでいるときはなぜか子供も早起きでした。西側にちょうど山があって陽が隠れるのが早いからか、いつも早寝なのに、さらに早寝早起きになっていました^^
息子はたくさんの鳥や昆虫にふれあい、すっかり虫好きになりました。ご近所の方や、行く先々で町の方々に声をかけていただきました。コロナの影響もあり人との交流が少なくなっていた中、温かい交流がとても嬉しかったです。息子も人の優しさに触れ、以前より人と話すのが好きになったようです。
そしてこの港町の風景。
この素晴らしい景色を見ていると、町民の方々が海のような広い心を持っている理由がわかる気がします。大きな心で私たちを迎えて下さり本当にありがとうございました。
私たち家族にとっての挑戦、新しいきっかけをこの町で作ることができてとても幸せでした。
アスへノキボウさんには本当にお世話になりました。
わが家に関わって下さった全ての方に心から感謝いたします。
また女川で会いましょう!
リオ(パパ)より一言
貴重な体験をさせていただきました。東京から4時間ほどの範囲で別の世界があることは知らなかったです。
時間の流れがゆっくりで、都会で普段気づかない大事なことについてじっくり考えることができます。
自然が豊かで余計なストレスから解放されて、自分と向き合うことができる環境です。
東京のように遊びの種類が豊富ではないですが、その代わりその少ない遊びを大切にしながら子供と一緒にここでしかできない体験ができました。
女川の皆さんが優しくて、困った時には何回も助けられて本当に感謝しています!
みなさんとまた会えることを楽しみにしています。
女川ありがとうございました。また遊びましょう!
ペンギン(息子)より一言
すごく楽しかった。良いところ!
投稿者プロフィール
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K.Idris family
東京在住の3人家族。
リオ(パパ) ITエンジニア
みのさん(ママ)主婦
ペンギン(息子)小学生
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