17日間を振り返って

17日間を振り返って

こんにちは!
お試し移住最終日(17日目)のてっちゃんです。

愛知県への帰り道で文章を書いてます。

年末年始の約2週間のお試し移住でした。
これまでこんなにも長い期間東北に滞在したことがなかったのでいろんな経験ができました。

暮らす,という点では
シーパルピア内のWoodwork Studio Noahの下でインターンしている中で
町内外から来てくださったお客様と会話をしたり犬と戯れたり,
または他の商店の方が訪ねてきたり,反対にほかのお店に足を運んだり,と
様々な方とたくさん関わることができ,
リンゴをくださったり,特別にメニュー追加してくださったり,と
とてもよくしてくださいました。
みなさんありがとうございました。

 

夜はガル屋やオウル,シュガー
都会の居酒屋と大きく違うところは
飲み屋さんの一つの空間の中で
立場,住んでいる地域,世代
全く関係なくみんなでわいわい盛り上がれるところです!
女川町長さんとも何度も同席しました。
町長,社長,町民,町外の方,旅行者,お試し移住者…
そんな立場関係なく距離が近いんです!

「個室居酒屋」なんて概念は女川には存在しません!
その人と人との近さが女川の特徴なんだなと改めて実感しました。
それが合うか合わないのかは人それぞれだとは思いますが。。
でも近いだけじゃなくて,
ちゃんと僕たちの若い世代の言うことにも耳を傾けてくれて
あれこれ意見を言ってくださったり,
応援してくださったり。
そういう女川の空気感がとても好きです。

 

もちろん,不便に思うこともありました。。
一番は交通の便です。
シェアハウスのある浦宿駅とまちの中心部・女川駅
たった一駅ですが歩くと40分はかかります。
時期にもよりますがこの時期はさすがにつらいです。
電車は多くて1時間に1本くらい。
女川→浦宿の終電は20時27分。。
Noahの新井さんに毎日のように送ってくださいました。
車が無いとなぁ,でも飲みたいしなぁ,
たくさん食べた分,運動しなきゃということなのでしょうね!
電車の待ち時間に駅併設の温泉「ゆぽっぽ」で時間潰せるのはいい点だと思います!

 

交通の便で言うと,バスや電車だけでは行ける場所に制限があります。
例えば女川町の最南端,牡鹿半島の真ん中くらいにある女川原発のPRセンターに行ってみたかったのですが,
女川駅からその方面に行くバスは昼から夕方に運行されてて
帰る方向のバスは朝から昼に運行されている。
これでは路線はあるのに時間が合わずに利用できません。。

普段は愛知で暮らしていてそんなに交通の便を問題に感じることが少なかったですし,
地方に旅行に行く時も本数の少ない電車の乗り換えの時間の合間を使って観光などに当てながらスケジュールを組んでいたのでそんなに困ったことはなかったのですが,
地方に暮らすときにはこういう側面もあるのだと実感しました。

お試し移住をしたいと思った動機の一つはそういった地方暮らしを体験してみたいと思ったからです。
女川で2週間暮らしてみて,そういった地方暮らし(女川暮らし)ならでは,が少しでも味わえたと思います。

 

そしてもう一つの動機が地方特有の産業のことをもっと知ってみたい,ということです。
地方特有の産業というのは水産業や林業のことです。
東北の豊かな自然,美味しい食べ物,温かい人,
たくさんの魅力に惹かれて何度も足を運んでいるが
その反面,人口減少,高齢化,担い手不足といった社会問題も進行しています。

30年後の日本が抱える問題が今の東北にはあるとも言われています。
豊かな自然やそこからの産物である海の幸や山の幸
そこに携わる方々の高齢化や担い手不足
でもこういった現状は地方にいないと全然見えてこないのが現状
そもそも林業の大切さに多くの人は実感が得られてないのだと思います。

木を植え,木を育て,木を切り,木を加工して,木を使う
どのピースも欠かすことのできない
そしてどのピースも人の汗なしでは成りえない
木の伐採,加工。命懸けなのだ。指の切断も珍しくないそうで。
インターン中にNoahの新井さんに連れていってもらった登米市の木の製材所は暖房設備もなく寒さの中作業をしていました。
そんな方々がいて,私たちの生活の中に木材の製品があるのです。
改めて木のありがたみに感謝です。

 

そしてそういったピースが欠けてしまうと,山が荒れてしまいます。
適度な間隔となるように間伐は必要なのに,それができていない現状
成り手がいないし,切っても高く売れない。そんな環境で育つ木はいい木じゃないからなおさら。
切れば切るほど赤字。
そうして木が生い茂った状態だと,
木の根っこがしっかりと張り巡らせることができないので山崩れしやすくなり,
地面には光が届かないので植物が茂らず,鹿などが山から人里に下りてきて獣害が増えてしまう
まさに悪循環

 

いまものすごく鹿が増加しています。
鹿の駆除は進んではいるが,
それを上回る鹿の繁殖力により減る気配はない。
車の走行中に鹿がぶつかってきて車を修理しなきゃいけなくなったり廃車になったり
鹿に寄生したマダニやヒルも増えて,それらが人や犬に被害をもたらしたり。
(ヒルはただ血がでるだけ。でもマダニってとても怖いのです。マダニの感染症は鹿から人に直接かかることも,犬を介してかかることもあり,最悪の場合は死に至る。。)

 

話を戻しますが,
林業の担い手。身の危険性もあり,お金になりにくい。
でも山の保全のためには欠かせないピース。
従事している方の高齢化は進み,担い手不足。
現に女川町で林業を生業にしている人はゼロです。
(海に面していない登米市や岩手県住田町,ブランド杉を町として推している南三陸町などは林業従事者はいるそうですが。)

 

以上のお話はNoahの新井さんからお聞きしたことをもとに書いてます。
Noahではすべて宮城県内の木材を使用し,端材も無駄にすることなくペット向けの商品に加工しています。
身を削りながら山の保全,木の加工のために汗を流している方々のためのお金になれば,
という想いをオーナーの新井さんは持っているそうです。
その姿勢,とっても素敵です。

 

こういう林業の現状,荒れた山の現状
自分が課題解決に貢献できることってなにかあるのかな
考えさせられます。

 

こういったことを考えるきっかけは女川でした。
都市部では感じることのなかった新しい価値観でたくさん出会えました。
同時にたくさんの課題に触れることも多いです。
女川は小さいまちですが,山もあれば海もあります。
商店もまとめっていて,起業する方も多くいます。
いろいろなことが学べるまちだと思います。

 

そんな女川に出会えてほんとによかったな,と思います。

 

今わたしは大学院1年です。がっつりこれから就活です。

お試し移住を経て,こうやって見聞きしてきた社会課題を解決したい,という気持ちが強くなりました。

地方特有の社会課題をもっと都市部の人にも知ってもらって関心をもってもらいたいです。
課題に触れて考えるきっかけを多くの人につかんでもらいたいです。
地方でしか味わうことのできない価値観をもっとたくさんの人に持ってほしいです。
地方にも視野を向けてもらった上で,就職だとか転職だとか居住を考えてもらいたいです。

そういったことができる仕事をしてみたいです。
これからそこの深堀りはしなきゃですが。

 

それと,また女川には2019年も何度か訪れたいと思います!
ほやの旬な時期にきてたくさん美味しいほやを食べようと思います!

まちの皆さん,2週間ありがとうございました!
また遊びに行きます!

投稿者プロフィール

大原一哲
大原一哲
名古屋工業大学大学院 社会工学専攻2年
愛知県岡崎市出身です!
とにかく東北が好きです。
人のあたたかみ,空気感,食べ物,すべて好きです。
特に,ほやが好きです!!

よろしくお願いします!!
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