2月に東京で開催されたセミナーでお試し移住のことを知り、より地方のことを深く知るチャンスと思い、お試し移住をさせてもらいました。結果は、想像以上に濃い経験となりました。
また同時に、あらためて震災のことを知らされる機会ともなりました。東日本大震災は有史に残る大災害ですが、映像はテレビやネットでしか見たことがなく、これまで個人的にはせいぜい募金をすることくらいしか関わることがありませんでした。
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2017年3月時点の女川町は、外から見に来たものにとっては正直言って駅前の整備された区画以外はほとんど何もない。道路脇は工事用のオレンジ色のフェンスで仕切られ、その中では工事用の重機が作業をし、ダンプカーが絶え間なく行き来をし、大規模な整備工事が連日延々と進められている。
そのすぐ脇に立っていたときの素直な感想は、「これは現実」だということ。ありきたりな表現かもしれないが、本当に自分が映画のワンシーンの中に立っているようだった。
しかし、町の人はといえば、今回出会った方々の中で、この状況を悲観的に考えている人は一人もいなかった。中には親しい人が命を落としてしまっているにも関わらず…。前を見て、前向きに考えて、そして時間はかかれども着実に一歩一歩前進している。
2月のセミナーで、「行政・民間・NPOが三身一体となって」との説明があったが、行ってみると本当にそのとおりだった。夜の街にいると本当に3日目に町長が表れ、今回の私の目的は移住でないことを伝えると、「全く構わない、Welcome! どうぞ存分に見て行って下さい!」と。
何もなくなってしまった逆境をむしろ生かし、資金的には女川町は恵まていた面はあったかもしれないが、そもそも人が動かなければ復興など成り立たない。震災後、すぐに動き出すことができたのは、この町の源流に流れている風土ではなかろうか。町の皆が同じベクトルを共有しているってすごいことだと思う。こんな町、他にないんじゃないか。駅前商業施設を作るにあたっては、チェーン店は極力排除したとのこと、特にこの町はこれからもそうであって欲しいと願う。オリジナルの風土を維持し続けて欲しい。
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今回のお試し移住にあたっては、私の希望を聞いて頂き、実現に導いて頂いたアスヘノキボウの小松さん、事前面談およびシェアハウスで世話をして頂いた後藤さんほか、関係者の方々に改めて深くお礼を申し上げます。
やはり、自分で行って直接話をきかないと、課題や問題は見えて来ない。自分の人生の中でも印象的な5日間でした。
女川は遠いですが、またいつか行って、発展している(そしてきっと発展し続けている)姿をぜひ見てみたいと思います。
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