海を抱きしめて

海を抱きしめて
『わたしたちは海と生きる。女川町』

トンネルの向こうにいたのは

コバルトブルーの一隻の船

失くすものさえ失くしてしまった次の日

Arcadia目指して船出した一隻の船

 

十日目(9/16(月・祝))。

朝から夕刻まで、石巻で見守りボランティア。

平素もそうですが、ボランティアの時はつとめて、明るく振る舞うことを自分に言い聞かせます。具体的には、笑顔をわすれない、ということです。

何故なら、何かの力になりたい、何かをしてあげたいと思っても、今の自分には地位も財力も技術もありません。でも、人の気持ちの入口はやはり、笑顔であり明るさだと思うのです。そんなことを今回も学ばせていただく活動でした。

活動を終えて帰宿。翌日から始まる「おかせい」さんでのお手伝い。数年ぶりに履歴書を書き終わると、数日ぶりにスマホでJazzを流しながら読書。

23時もまわりそろそろ寝ようかというタイミングで、ルームメートのシオンさんが帰宿。翌日朝に女川を発つ彼と意気投合し、酒を買ってきて“女川談義”。これは本当にボイスレコーダーで録っておくべきでした。シオンさんにはどうかわかりませんが、僕には半端なく学びになる内容でした。

もはや断片しか思い起こせないのですが、覚えているフレーズを列挙すると、

●石巻線のガードのあちら(浦宿側)とこちら(女川側)で違う女川町

●前に進もうとする人たちとそうでない人たちの二極化?

●インバウンドだけでなく住民さんにも目を向けるべきでは

●オーナーシップ‐当事者意識‐

●何かを壊さないと、何かが壊れないと、ヒト・モノ・コトは新しいスタートを切れないのだろうか?

女川町に限らず、どこに住んでいてもきっとぶち当たることのような気がして、これは地元に帰っても、地元に照らしてみて、いろいろ考えアクションする“根っこ”になると思っています。

1:00AM散会、就寝。

 

十一日目(9/17(火))。

この日発っていくシオンさんより先に出かけなければならず、発っていく人に見送られ、おかせいさん初出勤。シオンさん、本当にありがとう、あの夜の語らいは宝物です。

ン十年ぶりに長靴を履き、支給いただいたジャンパーと帽子をかぶり、形だけは魚屋さんに(笑)

 

お店の皆さんにご挨拶し、初日は教えていただくままに、ショーケースの品出しとお持ち帰りの袋に入れる氷袋づくりに励みました。

「いらっしゃいませー☺️❗️」

「ありがとうございましたー☺️❗️」

…直接お客さんと対面しての仕事は初めてなのですが、小さい頃から地元での集まりで、人前で大きな元気な声で挨拶することに慣れ親しんでいたので、抵抗や躊躇はまったくありませんでした。むしろすごく楽しい❗️たぶんそこそこにいい表情していたと思います(笑)。よし、この先も頑張ろう❗️

いただいた“まかない”。お腹の中は金華山沖やー✴️(笑)っていうくらい、激ウマーベラスな海鮮丼。本当に、女川に来たひとたちみんなに食べてもらいたい。そして、また何度でも「女川の海の幸が食べたくて❗️」女川に来てくれるようになってほしい❗️

初仕事を終えた後は気の向くまま散策したり、町中で読書したり。するとそこへ、本日到着された新しいルームメート、タケシさん、はるきさん、しんのすけさんの3人が街案内されているところに遭遇。よろしくお願いいたします❗️

ゆぽっぽへでひとっ風呂つかると、ガル屋Beerさんへ。この日は、同じお試し移住組の「めぐみ」さんと「ちさと」さんが、それぞれの故郷である沖縄と福岡の郷土料理を出す一日出店イベントを🎉❗️

いただいたのは、ちさとさんの「かしわめし」と、めぐみさんの「ゴーヤチャンプルー」。どちらももう、もうね、もう本当に、バリうま❗️まーさんどぉ❗️

まーさんどぉ❗️ゴーヤチャンプルー❗️
バリうま❗️かしわめし❗️

 

時に真剣な眼差しで、時にキャッキヤとはしゃぎながら、楽しそうに料理とお客さんに応対しているお二人と、それを見守りながらどこか楽しげなマスターさんが、気持ちも和ませてくれた楽しい素敵なひとときでした。お二人とも本当にありがとう☺️❗️

帰宿し、ブログ(前回分)書いて就寝。

十二日目(9/18(水))。

この日もおかせいさんでお仕事。この日は品出しと、教えてもらいながらレジ打ちと店内接客。ドキドキながらも、自分で選んだ人生初めてって、いくつになってもワクワクするものですね☺️❗️

お仕事を終えると、里心がついたわけではありませんし、便りのないのは無事の証しとも言いますし、メールも電話もあるわけですが、ふと親に手紙なるものを出してみたくなり、女川みやげや女川グッズ満載のショップ「あがいんステーション」で絵はがきを購入。

とりとめない文面になりましたが書き上げ、駅前の女川郵便局で窓口で出す時に「消印はどこの局になるか?」を尋ねると、女川郵便局のものになるとのこと。そうすると局員さんが「風景印を押しましょうか?」との粋な計らいを。御礼述べてお願いしました。

このあとは「Mother Port Coffee」さんでひと息入れつつ、今後のブログ用にここまでの足取りを整理したり、考えたことをまとめたり。思えば地元ではいろいろいっぱいいっぱいになり過ぎて、そんな余裕が無かったなぁ。それだけでも女川に来て良かった(シミジミ😏

ひと息ついた後、まちなか散歩。立ち寄った「マルサン」さんで、女川オリジナルTシャツに釘付けに❗️あいにくサイズが合うのが無かったですが、滞在中に入荷していただけるとのコトで、予約をお願いしました❗️楽しみだなぁ✨

夜。帰宿すると、この日女川に着いた、新たなルームメート、たおかさんとご挨拶。

って、キッチン見ると、はるきさんが、この日釣ってきたというイナダとカンパチを見事な腕さばきで三枚におろしているじゃないですか❗️ぶっちゃけ、シェアハウスで料理してる人初めて見たぞ❗️オラビックリしたぞ❗️(笑)

そして、はるきさんのご厚意で肴が、しんのすけさんのご厚意でビールが揃ったところで…乾杯🍻😋❗️

結縁の宴。はじまるよー❗️
顔でかいな!😆

 

お互いの自己紹介しつつ、おいしく、たのしく、同じ酒に酔う。楽しいなぁ。シェアハウス生活、最初は少し不安もあったけれど、楽しい毎日です。

 

女川湾と万石浦、ふたつの大きな入江と内海のある女川町。震災ではその海から来た津波に、振り返るものすら、失くすものすら失くしてしまった町。だけど、震災後、初めて来た女川でその言葉が書いてあるポスターを見たとき、感動で震えました。

『わたしたちは海と生きる。女川町』

 

なお、海を抱きしめて進もうとするこの町が、僕には一隻の船に見えています。Arcadia‐理想郷‐へ往かんとする、一隻の船。自分も今はそのクルーの一人の思いで、残りの日々を送りたいと思います。

To be continued.

 

 

 

 

投稿者プロフィール

ひで。
ひで。素浪人(笑)
神奈川県横浜市在住。
9年ほど勤務した会社を辞めて、震災以降通いつめる、大好きな東北と生きていく道を模索中です。
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