N.A.さま、
シェアハウスで同居中は、建築話ができて楽しかったよ〜。その後もお元気でお過ごしですか?
私はといえば、女川から東京に戻ってきてから、以前より暑さを厳しく感じるようになってしまったようで、残暑にちょっと困ってますが、なんとかやってます。
さて、女川滞在中に気になっていた建築小ネタ、浦宿駅と女川駅との待合室比較=自然換気VS機械換気のお話です。
女川駅から一つ目、シェアハウスからの最寄駅の浦宿駅の待合室(写真左)。浦宿エリアは女川町で唯一、津波の被害を受けなかった地域のため、浦宿駅の待合室は震災前からあるものと思われます。一方、女川駅の待合室は震災後に建て直されており、浦宿駅のものより新しく、きれいで立派に見えます(写真右)。
しかしながら、快適さや機能面では新しいほうがよいかというとそうでもない。
浦宿駅には、待合室の入り口から入って左側に、開閉できる窓が1つあります(写真ではわかりにくいんだけど)。暑い日には、入り口の引き戸とこの窓を開けておくと、風が通って、まあまあ過ごしやすくなるんですね。
女川駅の待合室にも、入り口から見て両側に窓があります(写真で見える窓と同じものが反対側にもある)。だけど、この窓がどちらもはめ殺しなんですよ(ココ重要)。つまり、これらの窓は採光用(寒い時期は採暖用にもなるでしょうが)であって、通風、換気の機能はない。でもって、換気のためには、写真では見えないほうのサイドに小さい換気扇が付いています。なんで、片方だけでも開閉できる窓にしなかったんだろう? 夏の暑い日にこの待合室にいたら、蒸し暑くてたまりませんでした。ほかにも人がいましたしね。
外気の入り口が1つしかないと、室内で風の通り道ができないー>室内の空気が淀みやすい、のですよね。それを換気扇で補おうとしているわけですが、待合室は小さな空間とはいえ、女川駅の待合室に付いていた、はんぺんか食パンくらいの大きさの換気扇では、暑いときや人が多いときにはパワーが全然足りないんだな〜。それに、埃が溜まって表面が真っ黒の換気扇って衛生的にもどうか(よく見かけるよね)、と思ってしまう(中もきっと汚れが溜まっているだろうし)。窓よりメンテが面倒そうです。
快適さ、メンテの手間からいうと、建築年数も古く、窓の数も少なくて、換気扇もない浦宿駅のほうが優れているんじゃないか。
この手のパラドックスって、気をつけて観察しているとよく見かけませんか?
女川フューチャーセンターcamassのトイレも換気扇は付いているけど、窓がなくて、ちょっと蒸し暑いときがありました。建築コストは窓を付けないほうが安く済むのでしょうが、付けられる条件が揃っている場合は、窓を付けたほうがその後の暮らしやすさは、断然アップする。長い目で見れば、換気扇の電気代やメンテ代も抑制できる(法律で換気扇は付けなければいけない場合はあるとしても)。これからは、建築費用だけじゃなくて、その後、建物を使っていく過程でのエネルギーのランニングコストも、もっと考えていかないといけないんじゃないかなあ。
というわけで、昭和のエコ建築、聴竹居は、学生のうちに絶対、見に行ってね!
ではまた!
Sho.
(こちらのブログは誰か宛のお手紙ふうに綴っています。)
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