自分にできることは何か。

自分にできることは何か。

 25日目

息吹です!

 女川港お気に入りの場所

前回のブログでも書きましたが、パソコンでの仕事を離れて漁師のI さんのホタテ養殖の現場で1日働かせていただいきました!

その夕方、港近くに網を仕掛たので、4日後その網を引き上げに小乗浜へ。船の操縦は前回習得済み。今回も快晴の中、帰港するいさだ船(小エビを取る船)の立てる波を切っていざ出航!目的地に着き、300mの網をひたすらたぐり寄せると、、、、、、、、ツクモガニ、カレイ、どんこ、アイナメ、うに、ヒトデ。水面から魚たちが顔を出すあの瞬間は他では味わえません。ちなみに、みんな夕飯で美味しくいただきました!

 

ここから先、ちょっと長々と面白くない話を書きます(忠告w)

 

さて帰港した後、Iさんのお宅にお邪魔し愛犬のホル君と戯れながら昼休憩。畜産業と漁業。お互い一次産業に対して強い危機感を持つものとして、話が尽きません。

 震災を生き抜いたホル君。いつも賑やかに出迎えてくれます!

その会話の中から、自然環境の変化と漁業の関わりについて。女川に来て水産業に関わるようになって自然環境の変化に対して危機感を抱く方の声や、自分が実際にその変化に遭遇することが多くありました。

女川で今の時点で表面化している環境の変化は、自分の知る限り大きく2つ。

 

①海水温上昇による生態系の変化

→ホタテ養殖、近海で獲れる魚種などへの影響)

②外来生物や震災の影響による生態系の変化

→鹿の流入、繁殖。ヨーロッパザラボヤ(外来種) の繁殖。ウニ大量発生による海の砂漠化。

 

それぞれについて詳しくは書きませんが、女川の方に聞くか、あるいは東北大学女川フィールドセンターのホームページにわかりやすい説明が載っているので興味のある方は是非。少なくとも、これまで漁師の方や女川フィールドセンターの方の話を聞く限り、女川は環境の変化が他と比べてかなりはっきりと現れているように思います。

例えば、女川はホタテの品質の良さだけでなく、日本のホタテ養殖の南限として知られているそうです。これは裏を返せば、海水温の上昇によって最初に影響を受けるホタテの産地は女川町ということです。つまり、ホタテの養殖が出来なくなる可能性がある。それって寂しいですよね。

 

そしてこの前、Iさんとホタテの養殖イカダで作業をしていると筏のロープなどにこんなものがだいたい30cm間隔で付いていました。

これ実は、ヨーロッパザラボヤという「外来種」のホヤ。海外から来る大型船のバラスト水(船を水平に保つための水)に混じって10年ほど前に北海道に侵入。それが今や、500キロ離れた女川でさえ30cm間隔で見られるほど繁殖しています。すでに岩手県ではこの外来種がカキ・ホタテ養殖業に悪影響を与え始めているそうです。金華山から侵入した鹿が女川で大量に繁殖して、山林の生態系を破壊しているのと似ていますよね。

 

 

女川という狭い範囲でもこれだけの自然環境の変化が見られますが、これは女川だけの問題でしょうか?実際、上の写真のザラボヤの生まれ故郷であるヨーロッパでは、日本の大型船のバラスト水に混じっていたワカメ(外来種)が大量に繁殖し、ムール貝養殖に大打撃を与えています。

 日本人が大好きなワカメ。所変われば外来種として生態系を崩壊させる「侵入者」と扱われる。なんだか複雑な気持ちですね笑

 

こういった環境問題を挙げるのはとっても簡単ですが、これに対する課題、解決策を考えるのはとても難しい。でも、それを考えなければ意味がありません。女川フィールドセンターではたくさんの研究者がこれらの課題に取り組んでいます。専門的な事は海洋のエキスパートに任せるとして、自分にできることは何か。それをこの1週間考えてきました。

 

そして自分の出した答えは、このブログにこれらの事実を書くこと、です。

 

おそらく、このブログを読んでいる方の多くは、自分よりも女川の自然環境の現状を深く理解していることと思います。ですが、2週間前の自分がそうであったように、知らない人もいるはずです。

 

女川の「1000年に一度のまちづくり」から学んだことの一つが、

独立した各個人が「自分の力の及ぶ範囲で」強い使命感を持って全力を尽くす→それが集団となった時、大きなパワー(女川町全体としての)を発揮する。

 

 

そして今、お試し移住中の自分にできることは、ブログを通した情報の発信。

この長ったらしい読みにくいブログを、何人の方が最後まで読んでくださったかはわかりませんが(笑)。女川の自然環境の問題に興味を持って、関心を抱いて、女川の自然環境の変化に対して自分たちが取り組むべきことを考える「きっかけ」になればいいなと思います。

(一番簡単な取り組みは、とりあえずこの問題を話題にすることではないでしょうか?!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者プロフィール

増田息吹
こんにちは!
仙台の大学2年生、増田息吹です。
鮮冷さんで1ヶ月間インターンをさせて頂きます。
釣りが好きなので、釣りに連れて行ってくださる方、是非お声掛けください!
女川町の皆さん、どうぞよろしくお願いします。
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