女川の空気感

女川という町には独特の雰囲気があります。雰囲気というものはたくさんのものを含んで1つの風味を醸すので、それを分解して言語化することは非常に難しいですが、あえて私が特に目立つものをあげるとすれば、前向きな精神、新しいものを進んで取り入れようとする態度、この2つになると思います。
この2つは複数人の人から別の文脈で感じられたことなので、この土地の人間はこういう精神や心構えをもっているのだなと私が思ったことです。
前向きというところでいうと、私がこちらに来たての時、社長から、社長という仕事やこれまでの人生の話をしていただいたときに、「失敗は失敗ではなく、うまくいかなかったということがわかっただけだ」ということをお話しいただきました。するとその後ボス(直属の上司)から新事業を始めるにあたって、という話で同じ失敗に対する態度に触れ、また別の場所で別の人からもこのような話を聞き、ということが起き、これは1人だけの考え方ではなくこの土地に根付く文化なのだと思いました。
また、新しいものを取り入れようとするというところでは、大抵このような田舎の地方では伝統とか頭のカタい人達が取り仕切っているというイメージがありましたが、この土地のある程度年の行った人達は若い人に任せる器量があるひとが揃っていて、それが文化となっているようです。私のようなわけのわからない輩にもしっかりと耳を傾けてくれることがあり、私はそれがとても意外でした。
日本では、若者に対して「お前はまだ甘えんだよ」といった雰囲気がありますが、この女川は少し違うようで、その甘えたガキの物の見方や考え方をむしろ求めているようなそういった雰囲気すら感じました。
そのような人として尊重されている感覚はアメリカにいた時と似ていた感じがしました。私はこう思う、こう考える、こうしたい、ああしたい、そういう主張をすることやできることは、すごく大切なことだと思います。そのような環境に感謝しつつこれからもっと女川の良いところに気づいていこうと思います。

投稿者プロフィール

武田侑也
武田侑也
千葉県出身25歳。"Venture for Japan"というプログラムで女川の企業に就職するためにこちらに来ました。
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