「女川に二度と来るな。」最終日のごいし

「女川に二度と来るな。」最終日のごいし

「女川に二度と来るな。」

最終日にそんなことを言われた。

ショックだったのもあるが、まず「なんで!?」「どういうこと?」という言葉が浮かんだ。意味が分からなかった。さっきまで一緒に楽しく飲んでいたのに。

ちゃんと伝えてほしかった。中途半端に傷つけたまま逃げさせないぞと思った。ちゃんと伝えてもらわなきゃいけないと思った。自分が今の言葉に傷ついたこと、何がいけなかったのか分からないという事、ちゃんと伝えようと強く思った。女川に来てから、それが一番強い覚悟だったと思う。相手の心配なんて全然頭になかった。ただ、「逃げんな」と強く思った。

 

きっとそういう所がいけなかったのだろう。

自分が気持ちよくなることしか考えられていない。女川という町について全然まだわかっていない。分かりたくても、女川の人でないと本当の意味で分からないところもきっとあるのだろう。でもそれがあるという事も、震災のことを意識すべきか、特に意識せずに過ごすかということも考えてすらなかった。考えた結果、意識せずに過ごすというならいいのかもしれないが。

 

今日は3月6日。もうすぐで3月11日だ。町の8割が震災で壊れてしまって、親戚の誰かは震災で命を落としているような町、。「3月11日は特別な日なんだよ。」

 

俺は、3月11日を毎年どうやって過ごしていたかな。中学校2年生の時にニュースで東北ですごい地震が起こって、津波での被害もすさまじいということを知った。熊本で予備校まで過ごしていた自分も、震災のことを意識することは沢山あった。計画停電があったり、練習着を送ったり、水道とか電気とかできるだけ節約したり、震災で亡くなった同級生の分まで精いっぱい生きようと思ったりとか、川島海荷が出てた、震災がテーマの映画かドラマで、震災の後の町で、暗い中笑いながら三角コーンを蹴り飛ばしてたシーンが未だに忘れられないし、毎年お祈りしてるし、岩手大学で三陸復興学生委員会っていうサークルに入って復興支援をしたり、陸前高田市広田町で活動したり、熊本で地震あった時も考えた。少しは考えてきた。多少は自分事として考えて生きてきた。

 

でも自分は、東日本大震災も、熊本地震も経験してない。

すっごく有り難いことだと思う。東北にも熊本にも縁があって、経験してない。本当に有り難いこと。有り難いことのはず。

 

「死体を見せてやろうか」「見たいって言えるのか!?」

 

そんなことも今日言われた。見たいと正直思った。見せてよって。見たら少しは同じ気持ちで3月11日を迎えられるかもしれない。勝手に疎外感を感じなくて済むかもしれない。

 

でも絶対に絶対にそんなこと言えない。

 

経験してない人は経験してないなりに疎外感を感じて辛いことだってあるんだよ。でもそれは幸せな悩みだからこらえなきゃいけない、絶対に口にしちゃいけないって思っているから分かち合えない辛さもあるんだよ。それも分かってよ、なんて、そんなこと言えない。

 

言わなくて良かった。浅はかでごめんなさい。

 

きっと沢山の人が、今も、こらえて過ごしているんだと思う。その人たちの我慢を踏みにじらなくって良かった。

 

こんなテーマでブログを書く事を迷ったけど、同じように思っている人がもし少しでも楽になったらそれはすごく尊いことだなと思って、書きました。

 

「お前にはまだ分からんよ。」とも言われました。

今の自分が全力で考えたことを込めたのですが、もしかしたら失礼なことを書いているかもしれません。このブログは残るので、分かるときが来たらもう一度同じようにその時の全力で考えたいと思います。

 

僕は今日こんな風に言われて、すごく有り難いなと思いました。誰に言われたかは書きませんが、その方を俺は大好きです。愛してくれているんだなとも思ってます。時期的にもデリケートな時期で、そんな中自分が無神経だったのが申し訳なかったと反省しています。指摘してくださったことに本当に感謝しています、ありがとうございました。

 

このブログを読んで不快な思いをした方がいたらごめんなさい。書きたいと思ったので書きました。出来るだけ言葉遣いには気を付けたつもりです。

 

僕は女川町という町に縁を持ててすごく誇らしいですし、沢山の方と出会えて、語り合って、本当に楽しいお試し移住になりました。

 

お手伝いさせてくださった方々、町で出会った方々、お試し移住というものを教えてくださった小松さん、すべての方に感謝の気持ちを持って、お試し移住を締めたいと思います。ありがとうございました。

 

洋食レストランりぼんのたかさん、なるさん。Sugar Shackのぼんさん、ひかりさん。居酒屋ようこの、ようこさん、俊二さん、あさばあ。Yume Wo Katare の山崎さん、りょうたさん。居酒屋カフェMのゆうやさん、ゆうやさんのお母さん、猫たち。ガル屋の優佑さん。お手伝い上手くできなかった所もあったと思うけど、温かく接してくださってありがとうございました。すっごく嬉しかったです。また来るね。

 

ただいまってすぐ言いに来ます。

じゃあ、また!

 

投稿者プロフィール

二子石大智
二子石大智
岩手大学農学部森林科学科3年 二子石大智です。

女川でゆったりとした時間を過ごしながら、町のさまざまな方と交流し、多様な価値観に触れてみたいという想いで女川に来ました。

何はともあれ、シンプルに女川を楽しんで満喫したいなと思います!
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